この記事は2015年2月11日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

【ロードバイク】AZ Blc-004 ロードレースSP 徹底レビュー

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AZのハイパフォーマンスチェーンルブ:Blc-004

今回はローコストハイパフォーマンスで知られる国産ケミカルを扱うAZが本格的にロードバイク向けに開発した「Blc-004 ロードレースSP」チェーンオイルについて徹底レビュー。
良い所も悪い所も伝えていきます。

まず「AZ」って何?って方はこちらから↓
【ロードバイク】自転車ケミカルメーカー AZ(エーゼット)について

概要

高級特殊合成油ベース・極圧剤配合
プロフェッショナル用として開発された、高性能の本格極圧オイルです。

高級特殊合成オイルをベースに、極圧剤など各種添加剤を有効に配合しました。 また、耐水性にも優れ、急な雨にも対応できます。
潤滑性抜群のロードレース用スペシャルオイル。 「チェーンルブ ロードレース」のワンランク上をお求めの方に。

―直営HP製品説明欄より

記載通り、本製品は同社製品「B1-004 ロードレース」の上位互換品です。
具体的には「B1-004」より更に耐久性・耐摩耗性・耐水能力が高い、となっています。

価格

アマゾンでの価格は2015/02/11現在50ml¥594(税+送料込み)。
定番フィニッシュラインと同じくらいの価格だが、110mlでは¥842(同上)とフィニッシュラインのオイルより安く買うことができるということを付記しておきます。

アマゾンでは一個単位から送料無料の方式をとっており、気楽に購入できます。

容器・外観

ラベルはAZ製品の中ではシンプルでカッコイイ

これは主観的な意見ですが、AZ製品で残念だなぁと思うことは全般的に各製品のラベル(パッケージ)のデザインがダサいこと()。
ホームセンターにおいてあるような大衆向けのデザインで、ロードバイク乗りの物欲を刺激しにくい。本製品及び後発の製品は、そういったロード乗りの反応を読み取っているのか、デザインをよりシンプルに、配色を工夫してカッコイイデザインに仕上がっている。これなら見えるところに置いてもいいと思える。

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非常に注油しやすい作り

AZのオイルはこの独特な細長く尖った注油口のおかげで非常に注しやすい。
具体的には、微量な注油量の調整が可能です。ボトルに圧力をかけた時に長いノズルからオイルがどれ程出てくるか観察しながら調整ができるので、「出しすぎたorコマあたりの注油量がばらつく」という事が防げます。
これはフィニッシュラインのボトルより良いと考えています。

使い勝手

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無駄なく、必要な量を必要な分使うことができる

上記の注油口の工夫があるため、注油は非常にやりやすい。注油口にわずかにオイルを滲まして、一コマずつちょんちょんとリズムよくつけていくことができるので作業が捗る。無駄がないので経済的。
オイル粘性が高い方だが、チェーンに浸透するまでの時間が掛からない。
また、オイルは少なめに注油し、拭き取ることがオススメ

オイル性能

性質

  • 粘性は高く指に1滴垂らして逆さにしても落ちない
  • 臭いは殆ど無い
  • 無色
  • ウェットタイプ・ねっとり寄り

潤滑性能はかなり高い

さすが本腰入れて開発されているだけあって、メインの性能は高い。チェーンの音がせず、プーリーの音がきになるほどで、ギアチェンジもぬるっと決まる。感覚としてはワコーズのチェーンルブと同等(オイルの性質が異なるので参考程度に)。
性質上汚れを拾いやすいのだが、粒子がチェーンについていても違和感を感じない。

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注油前↑
100km走行後↓
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汚れやすい

オイルはウェットかつややねっとり感があります。
注油後晴天下でサイクリングロードなどおよそ100km走行した後の画像と洗浄直後のスプロケット・チェーンを見比べれば一目瞭然だが、汚れやすいということが分かります。ワコーズのチェーンルブやフィニッシュラインのテフロンドライならサラサラ系なのでもう少し綺麗だと思う。

チェーン・スプロケット共に黒ずみ、よく見ると粒子がこびり付いているのも分かる。これはオイルの性質がウェットである以上避けられない
そういう点で、クリーン性を最も重視したいロード乗りには適さない

2015/03/15追記

blc-004は高い付着力があるのでしっかり拭きとってOK。汚れにくくなります

耐久性は高い

100km程度の走行では、ほぼ全く劣化を感じない。チェーンは汚れて粒子もこびり付くが、それは粘土が高いためチェーンにオイルがしっかりと定着している証拠でもある。クリーン性の強いセラミックオイルならこの距離で再注油が必要になる場合もあことを考えると、オイルのパフォーマンス維持力が強いことを物語っている。おそらく200km程度では劣化を感じないのでは?と見立ててます。
ロングライダースや、高い潤滑性能を重視するロード乗りにオススメできます

2015/03/09:追記:ウェット環境での耐久性

一度走行中2時間ほど本降りの雨に打たれながら走行したことがあります。
しかし、帰宅してチェーンを確認してもオイルが落ちている様子は殆どありませんでした。
レース中の雨などに対する心配は不要と思われます。
走行中も性能が落ちた感覚はほとんどありませんでした

しかし、当然ものすごく汚れを拾って砂や泥まみれになるので、雨に降られたら洗浄が必要です。
結論としては一度雨に降られた程度では全く問題ないということです。

2015/03/09:追記:パフォーマンス維持寿命は250km程

実際にロードレースSPを利用して感じた、一回の注油で維持できるパフォーマンス寿命は250km程。そこからは性能が落ちていくように感じました。

2015/03/09:追記:効果的な運用方法

  • 注油量はごく少量が理想的:汚れにくくなる
  • 標準の容器で注油した場合、しっかりと拭き取る
  • 距離にして100km毎にブラシで粒子を払う(お好みの問題

注油は極少量が理想的

実際運用して感じたのは、付け過ぎると飛び散りが僅かにあったり、特に粒子を拾い易いことです。
ウェットの性質上当然なのですが、これはかえって耐久性を損ねることになりかねません。
最適量注油により、「汚れにくい」「持続性の向上」「飛び散り防止」等、様々なメリットが得られます。

自分の場合は、同社の下記オイラーを利用して最適量注油を行っています。
注油量が最小単位で調整でき、経済的で、かつウェット系オイルの寿命を伸ばせます。

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標準の容器で注油した場合、しっかりと拭き取る

上記オイラーを利用せず注油する場合は、注油後チェーンをしっかりと拭き取ることです
基本的にウェット質のオイルはしっかり拭き取り、ドライタイプは余り拭き取らないほうが良いパフォーマンスを維持しやすいと考えています。

距離にして100km毎にブラシで粒子を払う

最適量注油であれば粒子は付きにくいので、不必要かもしれませんが、100km毎にチェーンを確認して、砂などの粒子がこびり付いているようであれば、ブラシでさっと粒子を払い落としましょう。
ウェスではオイルも拭ってしまうのでNGです。
チェーンの徒な摩耗を防ぐとともに、オイルのパフォーマンス維持寿命を伸ばしてくれます。

まとめ

オイルの潤滑耐久性とクリーン性は基本的にトレードオフ関係

数々のチェーンルブを試してきたロード乗りなら分かると思いますが、
基本的に『オイルの潤滑耐久性とクリーン性はトレードオフ関係』にあります。
例えば、フィニッシュライン製品の場合、最もクリーン性の高い「セラミックワックスルーブ」は耐久力が極端に低く、注油の頻度が高いというデメリットがありますし、逆に耐久性がが高い「クロスカントリー ウェットルーブ」はロードレースSPよりさらに汚れを拾いやすいというデメリットから逃げられません。

もっとも、サラサラで汚れにくいが耐久力も高い「イノッテック105」といった例外はありますが、価格も当然跳ね上がります。

高い潤滑性能・耐久力を低価格で提供するローコスト・ハイパフォーマンスオイル

他社製品と比較した場合、おおよそ以下のようになると思われます。

【潤滑性能】
「ロードレースSP」≒「ワコーズ・チェーンルブ」>「フィニッシュライン・テフロンドライ」
【クリーン性】
「フィニッシュライン・テフロンドライ」>「ロードレースSP」>「フィニッシュライン・クロスカントリーウェット」
【耐久性】
「フィニッシュライン・クロスカントリーウェット」>「ロードレースSP」>「フィニッシュライン・テフロンドライ」

個人的にはロードバイクSPに関しては「価格不相応の高性能」という表現がふさわしい思っています。
自身の重視するオイルの性質を元に、最良の選択をして下さい。

  • 低価格
  • 使い勝手が良く経済性に優れる
  • ウェットよりで、潤滑性が高く、汚れやすいが、耐久性が高い
  • ロングライダースや、高潤滑性能を長期にわたって維持したい人向け

楓鈴
この記事を書いた人

夜眠れず朝起きられない呪いを背負うサイクリストです🎐。
自然豊かで人が少ない、静かな所を走るのが好きです。
ANCHOR RS8 に乗ってます。EMU所属

他者との闘争心は人一倍ありませんが、自分への挑戦ということで時々頑張るためにヒルクライベントにも参加しています。
・2023年 富士ヒル 79分(ブロンズ)
・2024年 ハルヒル 52分

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